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急に立ち止まったかと思うとしゃがみ込んだ容子に慌てて歩み寄る。
でも頭を抱え込むようにしていて容子の顔は見えず、表情を読み取ることができなかった。
「容子?どうかしたの!?」
肩を掴み揺さぶる私に容子はやっと顔を上げた。
「もの凄く緊張したー!」
顔を強張らせた容子が私にしがみつく様に抱き着いてきた。
急に圧し掛かってきた容子の体重を支えきれず私は尻もちをつくように後ろに倒れ込んでしまった。
どうやら勢いで店に入ったのはいいが、いざ買おうと思ったら変に緊張してしまったらしく、ソレを隠すために色々買い込んでしまったようだ。
「ごめん!大丈夫!?」
慌てて私の上から飛び退き、血相を変えて謝りだす容子に驚きキョトンとしてしまった。
でもすぐにその言葉の意味を悟り「全然、大丈夫だから」と軽く笑って返すと容子から安堵の笑みが零れた。
「じゃあ、コレ!すぐに調べなきゃ」
そう言って私に何やら一杯入った袋をつきだしてきた。
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