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――…
―…
近くのコーヒーショップの化粧室で、私は容子が購入してくれた検査薬を試していた。
「咲穂、どう?」
容子は私が居る個室の前で仕切りに訊ねてくる。
私は個室から出ることなく一人の、その時を待っていた。
ピピっ。
携帯のアラームが時を知らせ私は息をのみ、恐る恐る結果に視線を落とす。
「あ……」
思わず漏らした声にドアの向こうの容子が反応したのが分かった。
私はゆっくりと立ち上がり、静かに個室のドアを開ける。
瞬間、目に飛び込んできたのは戸惑いを帯びた容子の顔で……
「で、どうだった!?」
個室から出た私にすかさず歩み寄ってきた容子に私は手に持っていたものをソッと差し出した。
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