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「本当に違うって言いきれるのか!?」
モゴモゴ口ごもる私にユキが真剣な顔で問いただしてきた。
「それは……」
そこまで強く言われると自信がなくなってくるというか……自信はない。
「どうなんだ?」
黙り込む私にユキは覗き込むように見てくる。
「そこまで言われたら絶対にないって―――言いきれないかな?」
あの時……
自分が妊娠したんじゃないかった勘違いしていた時……
確かにお腹の中には居なかったのに不思議なことに”居る”ような感覚を覚えてしまった。
それだけに自分の感覚だけを信じる、ということができなかった。
「じゃあ、念のため調べてみよう」
「え? え!?」
時間を気にすることなく、そんなことを急に言いだすユキに戸惑っていると
「なんなら今から行って検査薬買ってこようか」
本気で検査薬を買いに行きそうな勢いでユキが私から離れだした。
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