兆し #2

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「ちょっと待って!買いに行かなくていいから!!」 慌ててユキの腕を掴み、止めにかかる。 「―――え?」 驚きと戸惑いを隠せないといった顔のユキがこちらを見る。 あ、言い方がまずかった。 「違うの!買いに行かなくていいって言うのは、買いに行ってほしくないって言う意味じゃなくて、買いに行かなくても……」 言っていて何だか恥ずかしくなって、言葉途中にしてベッドから出ると自分のカバンを探り出す。 焦っているせいか、なかなか目当てのものが見つからない。 ―――こんな時に限って…… そう思った矢先に目当てのソレを指先に捉える。 そしてユキの方を向くと、ゆっくりと手の中のものを見せる。 「容子が予備にって買ってくれてたの」 それは今まさにユキが買いに行こうとしていた妊娠検査薬で、まさかこんなにも早く使うことになるとは思ってもいなかったものだった。 .
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