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「―――あったのか……」
その手をユキが検査薬ごと握りしめ、力なくその場に座り込む。
「うん……」
何となく恥ずかしくて俯いていると
「じゃあ、今すぐ調べてこい。ほら!」
急に立ち上がったかと思うと私を急かし、トイレの方へと促された。
―――うぅ、やりにくい……
結局、ユキはトイレの前まで着いてきて今もドアの向こうに居る。
只でさえ、慣れないことに抵抗を感じているのに……
それに、そんなところで待たれてしまうとプレッシャーのようなものを感じてしまう。
「そんなうまい話あるわけないのに……」
願わくば、そうであってほしいとは思うけど、そんな感じなんて全くない。
検査薬をケースから取り出し説明書通り進めていき、待つこと暫し。
前もそうだったけど、この時間が一番緊張する……
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