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恥ずかしさと闘いながら、何とか触診を終え、見せて貰った画像に私の胸が高鳴った。
小さな、小さな、黒い豆粒のような映像。
でも、それは確かにお腹の中に赤ちゃんが居るということで……
可笑しいかもしれないけど、感動して泣いてしまった。
「おめでとうございます。5週目に入ったところですね」
すべての検査が終わり、ユキ同席の元で、そう告げられた。
そして手渡されたのが、さっき見せてもらった画像をプリントアウトしたもので……
2人、顔を見合わせて幸せを噛みしめた。
さすがに、まだお腹は出ていないし、妊娠特有の症状もない。
でも確かにお腹の中に命が宿っているのだと実感することができた。
「男の子かな?それとも女の子かな」
病院を出た途端、ユキが私のお腹を見ながら急にそんなことを言い出した。
私は「まだ分からないよ」と笑ってしまった。
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