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「ココに寄ることは言ってないけど、兄貴に呼ばれたから遅くなるから先に寝てていいからって会社出るときに電話しておいたから大丈夫」
一応、念を押しておいたし、さすがに今日は寝ないで待つということはないだろう。
「大丈夫って……。でも用事が早く終わったんなら帰ってやれよ。この間、サキちゃん体調悪そうだったし心配かけるなよ」
「分かってる。でも、もう大丈夫だから。今朝なんかパンを二枚も食べたのに、まだ物足りないかもって言ってたくらいだし。逆に食べ過ぎてお腹壊さないか心配になるくらい食欲旺盛なんだから……」
元々、小食とは程遠い咲穂の胃袋だったが、いくら食欲の秋といえど最近の咲穂の食べっぷりには驚かされていた。
呆れつつお酒を飲もうと手を伸ばしたが、何故か遮るように神崎に手を掴まれ押さえつけられた。
「おい」
手を振りほどき、どんな嫌がらせだよと文句の一つでも言ってやろうかと思ったが
「え!?ちょっ、それって……」
何故か俺を見て慌てふためく神崎が居て、俺は意味が解らず眉を潜める。
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