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―――お腹?
ユキの視線を辿ってゆくと、その先にあるのは私のお腹で……
でも、どうしてユキが私のお腹を見てきたのかが分からなかった。
最近、食べ過ぎててお腹ら辺にお肉がついてきていることがバレた、とか?
沈黙が重く圧し掛かり嫌な汗が出てくる。
「ユキ?―――何でお腹を見るのかな?」
布団を掻き寄せお腹を隠すとユキとの距離を少しとるように後ずさる。
それなのにユキときたら逃げる私を追い込むかのように距離を詰めだす。
追われると、つい逃げたくなっちゃうのが私の性格で……
薄暗い部屋でジリジリとそんなことを繰り返していると
「きゃっ」
普通に考えたら分かり切っていた事なのに馬鹿な私は何も考えず後ずさり続け、気づいた時にはバランスを崩し、ベッドから落ち……
―――た、と思ったのにギリギリの所でユキに抱きとめられていた。
「助かったー」
ユキの腕の中で安堵の声を漏らしていると
「助かったじゃないだろ!もう少し気を付けろよ」
強く腕を掴み私を引き離すと怖い顔で怒鳴りつけてきた。
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