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(勘で止まってて良かった。あと一歩踏み出してたら、まともに喰らってた。一体、何をやったんだ)
冷静な仕草を見せつつ、頭をフルに使い女性徒の魔具の能力を解析しようとする。しかし、女性徒がそれを大人しく待っててくれる訳もなく。
「今度は、連続で行くわよ」
立て続けに、棒を持つ手を振るう。これを後方に退いて回避。更に動き回ることで、狙いを定めにくくする。
その様子を、VIP席で見ていたポリフォニカ国国王が、口を開く。
「ふむ、あ奴等が無色の剣帝が選んだ者達か」
何かを値踏みするように、リングで駆け巡るフィルドと、リングの外にいるリリス達を見るている。
その隣で口を開いたのは北の国、ブロッサ国国王。かなりの歳を召されており、このVIP席では一番の高齢者である。ラフテルの国王とポリフォニカの国王が五十代前半なのにたいし、こちらは七十を越えている。
「しかし、予想外じゃ。今戦っているフィルドと言ったか、あの生徒。保有魔力量は、Bランクと同等程度。責めて、Aランクはないと、戦力として数えるのは難しいのじゃがのぉ」
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