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「問題は、それだけではありませんぞ」
と、口にしたのは西の国、ウェルリステ国国王。国王の中では一番若い、三十代前半といったところ。
「魔族との戦争に欠かせない戦力の無色の剣帝が、Aランク程度の魔力しか無いとは。これでは、先に控える戦に支障が生じますぞ」
この言葉に、各国の王達は重い空気を漂わせ、押し黙る。
重要としていた戦力、されていた戦力が使い物にならない。期待していた者達にとっては、これほどしょっくなことはないだろう。
だが、そんな王達に朗報がもたらされる。
このVIP席には、各国の王達だけではなく、各四ヵ国の代表校の学園長も招かれており。そこから、言葉がはっせられたのだ。
「そう深刻な問題でもありませんよ、国王様方」
その者は、畏れ多くも各国の王達の前だというのに、柔和な笑みを浮かべていた。
「おぉ、劫炎の覇者ではないか。久しいのぉ」
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