全国魔術大会

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最初の時と同様に、女性徒へと向かって突っ込んで行く。 今度は足を止めない。不可解な攻撃を尖羅を使って、ものの見事に防いで見せる。 (攻撃が見えないにせよ、そこにあるのは確実なんだ。なら、あの人の腕を振る動作と角度に合わせれば防ぐことは出来る) 実際に、避けていた間にリングへと着いた傷は、女性徒が腕を振るう動作と角度に連動していた。フィルドの逃げ回っていた行動は、相手の魔具の能力を見極めるだけでなく、これを確かめるためでもあったのだ。 ついに、尖羅の攻撃範囲へと足を踏み入れたフィルド。槍の短所を生かした切り返しの速さで、女性徒の攻撃を防ぎつつ、尖羅の石突きを振るう。 「水円陣(スイエンジン)」 しかしそれは、突如として女性徒が握る短い棒から、円状に広がった水により弾かれる。 「大量の水を円状に回転させる事により、相手の攻撃軌道を変える楯、か。やっぱり、水の属性変化の魔具だったんですね」
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