全国魔術大会

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『両者、準備は宜しいですね。Aブロック第一試合、湘南の風vs白き翼、二峰戦始め』 開始と同時に男生徒は駆け出す。 「ひ弱な女と戦っても面白くねぇ。とっとと終いにしてやる」 そんな男生徒に向けて、右手に握る流星伽の一つを器用に投げつける。 「ふん、んな単調な攻撃くらうかよ」 軽く体を捻り、その攻撃を避ける。駆ける速度は落ちない。 それでも、次々に流星伽を男生徒に向けて投げ放つが、そのことごとくを男生徒は最小限の動きで避け、速度を落とすことなくリリスへと迫ると、大剣を上段に構える。 「身を守るべき魔具も無し、魔法の発動は間に合わん。これで終いだ」 「それは、どうでしょう」 男生徒の言葉に、リリスはニッコリと微笑むと開いていた両手の指を一つづつ折る。 その行動が見えていた、或はリリスの笑みに何かを感づいたのか。とっさに大きく跳びすさる男生徒。
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