941人が本棚に入れています
本棚に追加
『両者、準備は宜しいですね。Aブロック第一試合、湘南の風vs白き翼、二峰戦始め』
開始と同時に男生徒は駆け出す。
「ひ弱な女と戦っても面白くねぇ。とっとと終いにしてやる」
そんな男生徒に向けて、右手に握る流星伽の一つを器用に投げつける。
「ふん、んな単調な攻撃くらうかよ」
軽く体を捻り、その攻撃を避ける。駆ける速度は落ちない。
それでも、次々に流星伽を男生徒に向けて投げ放つが、そのことごとくを男生徒は最小限の動きで避け、速度を落とすことなくリリスへと迫ると、大剣を上段に構える。
「身を守るべき魔具も無し、魔法の発動は間に合わん。これで終いだ」
「それは、どうでしょう」
男生徒の言葉に、リリスはニッコリと微笑むと開いていた両手の指を一つづつ折る。
その行動が見えていた、或はリリスの笑みに何かを感づいたのか。とっさに大きく跳びすさる男生徒。
最初のコメントを投稿しよう!