全国魔術大会

26/53
前へ
/810ページ
次へ
それが、幸をそうした。今まで頭部が在った場所を、リリスの流星伽の二つが交差。そのまま、地面へと突き刺さる。そのまま大剣を振り下ろしていたら、確実にダメージを受けていただろう。 「ちっ、せこい真似すんじゃねえか」 「せこい、とは。相手が油断した隙に、攻撃を仕掛ける。これも、立派な戦術の一つですよ」 男生徒の嫌みに、涼しい顔で言い返すリリス。 「けっ、屁理屈を並べやがって」 「ほら、また隙が出来ましたよ」 どうやらこの男生徒、あまり口がたっしゃでは無いらしい。直ぐに会話はリリスのペースとなり、その隙をつき流星伽が男生徒を次々と襲う。 今度は、先程のように簡単には近づけない。何せ、リリスが投げ放った流星伽は真っ直ぐに飛ぶのではなく、方向を自在に変化させ男生徒を襲うのだ。その暇を与えてくれないのだ。 その様子を、リングの外で眺めていたカルディナ達は。 「へぇー、リリスも立派に魔具を使いこなしてるじゃないの」 と、感心気味のカルディナ。
/810ページ

最初のコメントを投稿しよう!

941人が本棚に入れています
本棚に追加