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それが、幸をそうした。今まで頭部が在った場所を、リリスの流星伽の二つが交差。そのまま、地面へと突き刺さる。そのまま大剣を振り下ろしていたら、確実にダメージを受けていただろう。
「ちっ、せこい真似すんじゃねえか」
「せこい、とは。相手が油断した隙に、攻撃を仕掛ける。これも、立派な戦術の一つですよ」
男生徒の嫌みに、涼しい顔で言い返すリリス。
「けっ、屁理屈を並べやがって」
「ほら、また隙が出来ましたよ」
どうやらこの男生徒、あまり口がたっしゃでは無いらしい。直ぐに会話はリリスのペースとなり、その隙をつき流星伽が男生徒を次々と襲う。
今度は、先程のように簡単には近づけない。何せ、リリスが投げ放った流星伽は真っ直ぐに飛ぶのではなく、方向を自在に変化させ男生徒を襲うのだ。その暇を与えてくれないのだ。
その様子を、リングの外で眺めていたカルディナ達は。
「へぇー、リリスも立派に魔具を使いこなしてるじゃないの」
と、感心気味のカルディナ。
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