全国魔術大会

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直ぐに司会者が駆け寄り、男生徒の安否を確認。 『勝負あり。二峰戦勝者、白き翼、リリス・レディアット』 確認し終えると勝敗を告げ、、直ぐに男子生徒を抱えて会場を出ていく。さっきの女性徒の時もそうだったが、会場に設置された医務室へと連れて行っているのだろう。 「よくやったわ、リリス。これで、二勝目よ」 「ありがとう、カルディナ。でも、不本意な勝ち方でした」 返す言葉は、どことなく暗い。どうしても相手に敗けを認めさせ、怪我をさせずに勝負を着けたかったのだろう。 「仕方がないよ。ああいう人は、意地でも敗けを認めないから。気に病む事ないよ」 と、セフィーが慰めの言葉を入れると少しは表情が明るくなるリリス。 そこへ、明るい話題へと変えようと、カルディナが口を開くのだった。 「そう言えばさ、フィルドもそうだったけど、リリスも上級魔法を使えるなんて驚いたわ。しかも、魔力上乗せまで使って」 そう、同じ属性で尚且つ、同じ階級の魔法に攻め勝てたのは魔力上乗せを転用していたからにほかならない。三学年の生徒会メンバーの男生徒が出来なかったことをやってのけたリリスの実力は、フィルド(魔力上乗せ出来る)ともども学生の中ではトップクラスの実力者ではないだろうか。
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