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開始そうそう動いたのは女性徒だ。
「貫け、地霊(ノズチ)」
距離が離れているにも関わらず、ハンマーを地面へと振り下ろす。
そのまま、リングの石板を打ち砕くかと思いきや、そうはならない。
「なにをやって。はっ」
いぶかしむカルディナだが、何かに気付き、その場を跳びのく。
「あっぶな。もうちょっと遅れてたら、串刺しだったわね」
見れば、カルディナが今まで立っていた場所は、リングの石板の下から飛び出た4つもの岩の槍で貫かれていた。しかも幅が五十センチもあり、高さは二メール。当たれば、ただではすまない。
「あれが、あの人の魔具の能力かし、らっと」
呟く間にも、女性徒の攻撃がカルディナを襲う。
「あー鬱陶しい。これじゃ、近付けないじゃないの」
またしても、攻撃を跳びのき回避するカルディナ。いらだだしそうに言葉を口にするが、その目は自分を襲った岩の槍ではなく、女性徒へと向いている。見るのは、女性徒の動作。
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