福がきたりて

5/6
714人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「明日、飯いらないかなぁ。福とマクドでモンハンするんだ。」 「……」 晩飯食べて、食器洗い終わってベッドの側でくるくる回りながら言う。 空がなかなか布団持ち上げてくれない。なんでだ? 「布団。」 オレが焦れて言うと、ちらっと空がこっち見て、めんどくさそうに布団を持ち上げる。 オレは布団に滑り込んでため息をついた。やっぱり空はあったかい。 えへへって笑うオレを横向きになってる空がじっと見てる。 なんか眉間にしわが寄ってきた。 「……うざ。」 「はぁ?」 ぐいっと抱き寄せられて、背中を撫でられる。 また身体全体が密着して片足を足の間にはさまれる。 頭のてっぺんに空の息がかかる。 「手羽元、煮るかな。」 え?今なんてった? 「てばもと?」 そ、それはもしかしたら空の最強料理のあれですか? 圧力鍋でとろっとろに煮込んだあれ? 口に入れると骨と肉がするっと離れて、口の中でふわわんと広がるあれ? 「半熟たまご入り。」 「ほ、ほんとうに?」 空が頷く。 ああ、大好き。本当に大好き。 焼肉の次かその次くらいに好き。 オレは感動に目をうるませながら空を見上げる。 「たべたい。」 「いっぱい?」 「うん!!」 「マクドは?」 「飲み物だけにする!」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!