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*** 真っ暗な画面にノイズが走る。 そして、まず画面いっぱいに 映し出されたのは、 笹森さんの顔だった。 ドキッとするほど無邪気で、 …それでいて、少し 寂しそうな笑顔。 カメラを手に持ち、 自分に向けているらしく、 時々近過ぎてピントが ぼやけたりしている。 『えっと、今、電車を 降りたところです。 今日はこれから、 春山くんと一緒に 水族館に、行きます』 春山くん、という呼び方に、 心がちくりと痛んだ。 目を上げると、向かいのソファから 白井さんが、見守るような視線を こちらに向けていた。 「…先生のこと、 …春山くん、て呼んでたんですね」 「…そうみたいだね」 わたしは強引に 笑顔を作って見せた。 『笹森、いつもと違うよ。 …気取らないで、普通に しゃべらないと』 先生の声に、はっとして 画面に目を戻す。
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