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夜空を見上げると、星が瞬いている。
空気が冷たいからだろう、キンと冴えた光が、私の瞳に映り込んでくる。
痩せ細った月も、そんな空気の中では美しく冴え渡り、星々と、ため息のレクイエムを奏でている。
柔らかな光が、地上に降り注いでいた。
星々の間を漂い、月光の向こうで慎ましく控える闇。それらが夜空に幕を引き、光を華麗に魅せている。
密やかな闇。
安らぎと安寧、そして、不安と混乱を齎す、矛盾を孕んだ闇。
それらが全てを包み、囁くように吐息を吐いた。
私の瞳に届く光。
でもそれ以上に私の視界を占める闇は、物事をくっきりとさせて、光のように浮かび上がらせる。
闇は無ではない。
存在しないのではない。
全て、闇から産まれたのだと……
そう、思う。
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