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俺たちが出会ったのは、
全学部・学年合同で行われる必修単位
「第二外国語」という履修科目で、
言語学の教授が授業を行う選択科目となる。
講義とレポート提出が中心という教授もいれば、
対話ディスカッションをすることを中心とする教授と、
やり方も一長一短で、
選び間違えると足かせと成り得る学生泣かせの単位である。
大里大学の第二言語(第二外国語)は、
レベル別にⅠ・Ⅱ・Ⅲとあり、
Ⅲはネイティブレベルの生徒を対応しているため
英語ぐらいしかわからない俺にとっては、
まず、初級クラスのⅠから入るのが無難だろう。
事前に配られるシラバスはチェックするものの、
紙一枚では、実際の講義の実態など何もわからない。
先輩たちの意見を参考にしつつ、
1学年のうちに、ガッツリ単位を取ってしまおうと
目論んでいた俺としては、
楽に単位が取れることが選択する条件だった。
「ドイツ語Ⅱ」を担当する長迫教授は、
ひげもじゃで強面な見た目であることと、
毎回出されるレポートの多さ。
それに、
なかなか単位を取らせてくれないことで
評判であったため、
1年の頃は人数が多く代返可能である
「英語Ⅰ」を第二言語に選択していた。
英語1は、
非英語圏生徒や、英語以外で受験をした生徒のために、
"特別対策"として開講されている超基礎コースだ。
だが、履修申請をして刎ねられるのは
人数オーバーの時ぐらいで,
今まで散々英文法を勉強してきた奴らが
混じっていたとしても,大学側はそれに対して
対策を設けることもなかった。
・・・・・結果、「英語Ⅰ」は、
第二言語の取得を懸念する学生達のたまり場となっていた。
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