居酒屋「大将」にて。

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「俺たちは、王道ポップロックのコピバン(コピーバンド) だから、前のバンドみたいなグラインドコアとは違って、 絶叫することが曲の大半じゃない。 ボンジョビとか、オアシスとか・・ そう言った王道ロックの類をやるんだ」 にわかバンドの癖に偉そうだと自分でも思ったが 気にせず続ける。後輩に甞められるわけにはいかない。 「ボンジョビ・・おっさんバンドかよ」 「一応・・名前ぐらいは知っているようだな、 うん、感心感心」 わざとらしく、おっさんぽくリヒトの肩に 腕を回して肩を叩いてやる。 「リアルに、やめてください。」 と、またリヒト流の『敬語』が飛び出て、 ウザったそうに肩を外された。 余り良い印象ではない答えだったが、 知識は、ゼロではない。 歩み寄れる可能性は格段に上がったと思えた。 「おっさんだけど・・かっこいいだろ?」 「ッッハン!」 ボンジョビを鼻で笑い飛ばし、 「同じやるんだったら、ガンズがいい・・」 という始末。 リヒト曰く”おっさんバンド”の中から、 選択した妥協案だろうが、少々ハードロック気味である。 確かにガンズもメジャーでいい曲を沢山出しているのだが、 オアシス中心のつもりでいたため、若干ずれが生じ出す。
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