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勝ち抜けされた悔し涙か?
それとも、俺が居なくなるのが淋しい?
・・・・それは有り得ないな・・。
「V系(ヴィジュアル系バンド)だと?
今やっている音楽と、全然違うじゃないかよ。」
トアが、珍しく口を挟む。
自分のビジョンを貫き通すトアにとって、
俺の行動は信じられないだろう。
「音楽をやることには変わらないだろ?
第一お前らと組んだ時だって、俺は自分のスタイルを
変えたんだ。受け入れるハコなんて何処でもいいんだよ」
「もっと、バンドマンとしてのポリシーが有る奴だと思ってたよ・・・」
トアの表情が一気に軽蔑する目つきに変わる。
”負け犬のくせに・・何生意気な顔してんだよ・・”
自分を貫き通せば、受け皿はごく僅かしかない。
自分らしく生きる為には、妥協も必要だという事を
こいつらは全くわかってない。
だから未だに、この場所でしみったらしく、
活動を続けているんだ・・・。
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