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どこの事務所もそんなもんだろうが、
1年頑張った末、ダメなら失うものは果てしなく大きい・・・。
NAOTOが、声を震わせて、言葉を搾り出す。
「最初からさ。無理して・・・
散々我慢したあげく、いいように使われて。
バンド解散なんて格好悪りい事出来るかよ・・・。
バンドのメンバーに・・・。
もう二度と戻らないって啖呵切って出てきたんだ。
見るって話だったから乗ったのに
・・・今更なんだよ・・」
「こんな話なら・・・・俺は、やらねえ。」
かっこ悪い本音をぶちまけて、床に唾を吐き捨てた。
こいつは、辞める気だ。
出ていこうとするNAOYAを止めるために、
糸井は地面に手を付いた。
10才以上も年下のクソガキに土下座をしている糸井。
かっこ悪すぎ・・・。
「待ってくれ!!
これは、全て、君達の為なんだ。
私は、君達が輝く姿を見たい。
大舞台に立ち、
多くのファンに囲まれる姿を一緒に見たいんだ。」
「事務所が言っている事が、納得出来ないのは充分判っているつもりだ。
皆の好きなようにさせたいって、本当は私だって、そう思っているんだ。
だが勝ちあがりたいなら、
この業界で生きていきたいのなら、
私を・・。事務所を信じて付いてきて欲しいんだ。」
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