NEVER FXXKIN' MIND THE RULES

15/22
前へ
/36ページ
次へ
デビューまでの間の繋ぎ資金を出すことは、 もはやリリカの使命であった。 デビューの話は、りりかと俺だけの秘密であり、 りりかも与えられた大役に、やり甲斐を感じているようで 俺のパトロンとしての地位を、この数ヶ月の間で見事に確立することになった。 つまり俺は、 この数ヶ月間、【EINS】としての広報活動を全く行わなかったのである。 実質的に活動しているのは、ハコの中だけだ。 だから、 他の3人が売ったチケットは、 間違いなくあいつらのファンってことになる。 チケットの半分以上、廃棄していたにもかからわず、 全てのチケットが売り切れ、 【EINS】には、そこそこ客が入っていた。 俺が抜けたとしても・・・・ きっと・・・【EINS】は、失くならない。 「とは言ってもねえ・・・辞めてもらう他ないんだよ」 困った調子で糸井が言う。 「うーん」と、唸り、腕組みをする糸井に、 なぜ、俺がこんなにも【EINS】を抜けたくないと悪あがきするのか、自分でも不思議で堪らなかった。 いつか抜けてやるって、思って今までやってきたっていうのに・・・ いつの間にか・・・・ あいつら(【EINS】)との時間は、俺の時間になり、 あの場所は、俺の場所になったんだ・・・・・・・・
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

126人が本棚に入れています
本棚に追加