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「しつこくするような女性がいるのなら、
こちらに教えて、事務所の方で対応するから」
やんわりOTOWAの狡猾な誘いに、糸井が朗らかに答える。
「俺が直接、女に言うんじゃダメですか?」
負けじと突っ込むOTOWA。
「うざいってストーカー女とかだろ?だったら、直接言っても意味ねーし」
NAOTOが、鼻を鳴らしてOTOWAの言葉を馬鹿にする。
「付き合ってる女でも、デビューするとなると、豹変するんだよ。
金の卵だって知れば、急に態度を変えて縋り付くもんだ。俺を愛する女たちが、素直に聞き入れるとは思えなくてさ」
OTOWAが、モテぶりを、自慢する。
「1年だけ我慢すれば・・・今の彼女と付き合ってもいいんですか?」
意外な質問をぶつけたのは、ITSUKIだった。
デスメイク野郎に、
1年待ってでも付き合い続けたい彼女がいることに、驚く。
「ああ、軌道に乗れば・・・、女関係もフリーになるな。
全てはデビュー後に、決まるよ」
あえて1年という期限を設けなかった糸井の話しぶりからすると、
女関係は結構ゆるいグレーゾーンということになる。
俺たちのバンドは、
アイドル並みな制約を設けるべきか、
肉食系、ゴシップバンドとして確立するべきか、
まだ,定まってはいないようだ。
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