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「1年も、待ってくれるわけ?その間に
ほかの男の子供でも孕んでるんじゃん?」
今度は、OTOWAがITSUKIの純愛を、否定した。
「てめえに関係ないだろ?女囲ってるからって、調子に乗ってんなよ」
二人が同時に立ち上がる。
女の愛し方は、正反対だが、切れやすい性格は双子並みだ。
二人の狭間に突進するように、糸井が割り込んだ。
「まあまあ、二人共、落ち着いて。
恋人に関しても、
バンドメンバーと同じでデビューすることに対して告げることは出来ないよ。
5月のデビューイベント後、
彼女達が、いろいろ面倒を起こさないためにも
出来ることならきちんと別れを告げてから、入寮して欲しいんだ。」
「彼女にだけは、ちゃんと事実を話しておきたいんです。
情報を漏らさないようにきつく言いますし、
それに、
問題を起こすような女じゃなくても言っちゃダメなんですか?」
ITSUKIが、質問した。
俺も同じ気持ちだった。みずきに別れを告げたくない。
「デビューライブが終わったら彼女に話せばいい。
事実を告げて、事務所の寮に居る事を話せば問題ないだろう・・
おおっぴらに付き合うのは事務所としてNGだが、
電話ぐらいなら、許容範囲だ。」
「電話だけ?」
昭和かよ・・・
時代のギャップに、デスマークが点灯する。
「今の所はな、今後の社長の方針次第だ。
我慢は強いられるが、長くても1年だと考えてもらえればいいだろう」
ITSUKIがため息をつく。
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