NEVER FXXKIN' MIND THE RULES

20/22
前へ
/36ページ
次へ
長ければ1年離れ離れになる・・ 早く、俺たちのバンドを、確立しなくちゃならない・・ 「秘密にするのもデビューまでのほんの数週間だ。 泊まりがけの旅行にでも行くとでも行って、 出ていけば問題ないだろう」 「5月5日まで半月以上長期旅行って、 リアルに、嘘臭いですけど・・」 NAOTOが突っ込む 糸井の顔に疲れが見える、ストレスの塊である腹を、左右に揺らす 「とにかく!どうしても別れられないっていうんなら、 うまい理由を見繕ってさ、ごまかすほかないだろう? 本来なら、女関係は綺麗さっぱり終わってるのが理想なんだけど、 君たちのために、事務所が、ものすごく妥協してるってわかってくれよ~」 泣きそうになる顔で、糸井が言う。 汗なのか、涙だなのかわからない雫が、頬をつうっと伝って床にこぼれ落ちた。 「俺は、全員切るつもりだぜ。 でも糸井さん、女と手を切る為にも、いくらかは必要じゃないですか・・ね?・」 女に手切れ金を渡したフリをして、懐に入れる気満々の OTOWAが、舌なめずりをして糸井を見つめる。 だが、糸井は首を横に振るばかりだ。 「バンドメンバーと違って女関係は、ゴキブリ並みに出てくるもんでね。 出る度に金を出していたらこちらもたまったもんじゃないんだよ。 やはり女性問題は、第三者が間に入って、 きちんと対応したほうが後々トラブルにならないんだ」 爽やかとは程遠い笑顔で、微笑み。 また額に浮き出した珠の雫をハンカチで拭き取った。 しかし、 ゴキブリという言葉に苛立ったのか、 部屋の窓際で立ったまま外を眺めていたりりかが、 わざとらしく咳払いをして自分の存在をアピールする。 椅子を引き腰掛けたあと、足を大きく開いて組み直した。 みんなの視線が一斉にリリカのミニスカートの奥へと向いた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

126人が本棚に入れています
本棚に追加