126人が本棚に入れています
本棚に追加
「君たちの手を煩わせたくないだけだよ、
女性たちは・・その・・情熱的だから・・・」
取ってつけたような、弁解を続ける糸井を無視して、
りりかが、白のファージャケットを脱ぐ、
モヘアの身体にぴたりと張り付くU字のニットから、
こぼれ落ちそうな程に寄せ上げた豊満な胸の谷間を見せつけるようにして、机に頬杖をつき、
こちらを見据えたまま、足をぶらぶらと揺らす。
「つまりは、
その・・バンドメンバーと女性との交友関係というのは、
同類というわけじゃないってことで・・
デビュー後に揉み・・
・揉め事が起きないようにするのが事務所として・・」
もはや糸井の視線は、顕になった谷間に釘付けで、
支離滅裂なことを、口にし始めていた。
バンドメンバーも同じくリリカをちら見し続けている。
そのあいだに俺は、
「悪の教典」並みに恐ろしい、「誓約書」を再度読み直した。
最初のコメントを投稿しよう!