FROM YOUTH TO DEATH #2

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「Σ校舎」は、完全な無人だった。 物音ひとつせず、 光も螺旋階段のある天井のはめ込まれたガラス窓からだけで、 人感知センサーが反応した場所に、青白い蛍光灯がぼんやりと足元を照らすだけだ。 長い廊下を歩き、振り返ると、既に後方は真っ暗な闇だった。 圧迫感のある、トンネルの中を進んでいる感覚に襲われる。 部屋に辿り着く前に、この闇に引き擦り込まれそうだった。 歩幅が広くなる。 早足に目指す部屋へと向かった。 一刻も早く、”光”を感じたい。
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