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「話さないで欲しいでしょ?私たちのこと」
りりかは、”私たち”を強調した。
USを拒めば、明日は来ない。
こんな時に、限って歌詞のフレーズなんかが頭に浮かぶ。
状況は悪化してるっていうのに、
のんきな脳みそだ。
昼間の白いファーが青白い街頭で
スカイブルーに変色していた。
青白い顔の口元がにやりと笑う様子は、夜の闇と絶対零度の世界から生まれた、氷の女王のようだった。
男を魅了して、地獄の底に突き落とす。
骨をしゃぶる姿が目に浮かんだ。
その白い毛皮は、誰を剥いだものだ?
食い尽くされる。そんな恐怖が俺をがんじがらめにする。
どうこの場を乗り切るべきか。
頭をフル回転し始めた。
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