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一瞬気配を感じ、気配のある方向に視線を走らせた。
3階のみずきの部屋がある方角。
みずきの部屋は角部屋であることから、台所側に換気用に小窓がついている。
暗闇の中見上げると、台所の窓が空いたままだった。
先程、メールを確認する為に窓を開けた事をを思い出した。
窓の中は出た時と同じで真っ暗だったが、いつ見られるともわからない状況。
だが、戻って窓を締める猶予は無い。
「この前に、リヒトに電話したの、覚えてる?」
3階の窓の様子を睨むように眺めながら、不満をぶつけるようにして答えた。
「いつのことだよ?」
「キャバ終わって、リヒトに会いたくなって、電話したの。
メールしても返信無いし、何度も鳴らしたのに、
電話出てくれなかったでしょ?」
「夜中の3時じゃ寝てるに決まってるだろ?」
「そうよね。寝てるに決まってる。でも、私はリヒトから
電話が掛かってきたら何時だって電話に出たわ。
リヒトは・・・
私が掛けても一度も電話に出てくれたこと無いんだよ?」
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