RAINBOW #2

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タイガが案内したのは、センター街の中にある雑居ビルの中。 モニターと証した試供品を案内する女性に釣られて、時折このビルへと訪れた事があった。 綺麗なメイクブースで、好き勝手に化粧品を使って、 簡単なアンケート用紙を記入するだけで図書券と、試供品の化粧品を貰えて、 なんだか美味しいアルバイトをした気分だった。 その階の一つ上、7階に在る事務所へと向かう。 怪しいところは今のところ、何も無い。 エレベーターが開き、細い通路を歩いて赤い扉を開いた。 扉の前には、「PC・CAFE」と書かれた赤い扉と、同じ色で光る立て看板が置かれていた。 案内されたとおりに部屋の中へと入る。 こじんまりとした受付ブースの奥に、 PCがすらりと並び、開放感の在るネットカフェのように見えた。 数人女性がパソコンの前に座っていた。 ぼんやりと画面を眺め、 時折、マウスをう雑多そうに動かしている。 男性の姿はない。 「ネットサイトの桜とかやんの?チャットとかの」 「いいや?パソコン触らなくっても、ぶっちゃけどうでもいいんだ」 タイガは首を振り、 渋谷の人の流れが良く見える奥の席のパソコンの電源ボタンを押した。 「は?意味わかんないし」 「君は、来たい時に此処に来て、 一日中パソコン触って遊んでくれていていいから」 「え?それだけ?」 「そうそれだけ」
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