RAINBOW #2

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渋谷の街をぶらつく。 タワレコの前で、男のナンパにあった。 まあまあ、いい感じ。 「名前なんていうの?」 「モカ」 「いくつ?」 「二十歳」 その場限りの会話。 ゲーセン行ってプリクラとって。 「チューぷり撮ろーぜ」 「いーよ」 キスもして、 盛り上がったから、 公園でHもした。 「じゃねーモカちゃん、電話して」 「しねーよ」 手を振り、早漏オトコを見送った。 「あ~なんか~、余計虚しいんだけど~~~」 男とのデートで、満たされない感情を抱えたまま、 再度、109へと向かう。 真面目腐ったガッコの友達とは馴染めず、 うちの居る場所は、いつもここで、 この場所へ来れば自分と同じ仲間が居る。 何処にも馴染めなかった、 居場所なんかなかった、 そんな、仲間が待っている。 いつもミカが居る場所に座り込んだ。 他のグループの女子達がおしゃべりするのを 横目で観ながら、ミカを待つ。 ...けれど、其の日、ミカは現れなかった。
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