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「え?そうだったかな?」
誤魔化そうと、スカートの裾のレースを抓んで伸ばしてみる。
「うん。
いっつも、へー、とかふーんしか言わなかったのに、
どんな心境の変化?」
「変化なんか、ないって」
「アヤカが思ってるほど、恐くないよ」
ミカが、得意げに鼻を鳴らした。
「一回経験してみればいいんだよ」
「...うん....」
頷いたが、ミカのように割り切れなかった。
売りは、
お金が絡む。
「したくない」も、「やっぱ辞めた」も、言えない。
好みの男子とするHとは違う。
お金を稼ぐってことは....
我慢しなくちゃいけないもんでしょ?
そんな簡単にお金なんかもらえないってことぐらい。
兄ぃの生きる世界を観ていれば、.....判るよ。
☆☆☆
制服のスカートのポケットを漁る。
取り出した、小さな硬い紙。
折曲がった紙を、伸ばし、
シルバーの数字を一文字ずつ、携帯へと打ち込む。
呼び出し音が鳴り直ぐに、
先日の聞いた、自信たっぷりの口調に出会った。
「タイガ...さん?
先日名刺貰って....」
男の名刺をひらつかせながら、受話器を握り締める。
「この前の話...聞きたいんですけど」
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