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一瞬、うちに逢いに来たのかと思い、
つま先を立てて覗き込もうとした。
だが、
「ほら歩けや」
背中を押し、
受付係だった男を、パトカーの中へと押し込んでいる。
「..な......んで...」
「警部、他の押収品ですが....」
警官に呼び止められ会話を続ける険しい表情の徳山を見つめた。
「...あのビル、売春斡旋業者が入ってたんだってよ、」
「未成年働かせて荒稼ぎしてたらしいよ」
「いくら貰ってたんだろー」
「なに?馬鹿ジャンそんなのするつもりぃ?」
「冗談に決まってんじゃン、やらないっしょ、
つか、ガチでキモイ~~」
笑い声を上げる見物人の脇を通り、
元来た道へと進む。
足元の白線が、歪んで見えた。
「警官のクセに、ウチを買ってたんか,,,,」
負け惜しみのひと言を、ボソリと吐いたが、
ウチを助けようとしてくれた徳山の言葉を思い出した。
”もう辞めろ”といった徳山の言葉...
その想いに応えられない場所に、
ウチは居るんだ....。
「もう、辞められないの...辞められないんだよ...」
凍えるカラダを抱きしめ呟いた。
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