RAINBOW #4

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一瞬、うちに逢いに来たのかと思い、 つま先を立てて覗き込もうとした。 だが、 「ほら歩けや」 背中を押し、 受付係だった男を、パトカーの中へと押し込んでいる。 「..な......んで...」 「警部、他の押収品ですが....」 警官に呼び止められ会話を続ける険しい表情の徳山を見つめた。 「...あのビル、売春斡旋業者が入ってたんだってよ、」 「未成年働かせて荒稼ぎしてたらしいよ」 「いくら貰ってたんだろー」 「なに?馬鹿ジャンそんなのするつもりぃ?」 「冗談に決まってんじゃン、やらないっしょ、 つか、ガチでキモイ~~」 笑い声を上げる見物人の脇を通り、 元来た道へと進む。 足元の白線が、歪んで見えた。 「警官のクセに、ウチを買ってたんか,,,,」 負け惜しみのひと言を、ボソリと吐いたが、 ウチを助けようとしてくれた徳山の言葉を思い出した。 ”もう辞めろ”といった徳山の言葉... その想いに応えられない場所に、 ウチは居るんだ....。 「もう、辞められないの...辞められないんだよ...」 凍えるカラダを抱きしめ呟いた。
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