RAINBOW #4

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シーツの隙間から顔を覗かせた男が高揚した顔を近づけた。 指を2本ウチへと向ける。 「あと、2万出すからさ、NNにしない?」 「2万じゃ無理ですよ。 それに病気怖いんで」 「じゃあ、Nだけでもさ、3万で! ね?どう?」 たった一枚のガードを取り去るために、 馬鹿みたいに男は、金を投げ、頭を下げる。 けれど、たった一枚が命綱だったりする。 リスクは低いほうがいい、 越えてしまえば、 不安を抱えたまま、 日々を過ごさなくてはならない。 リスク回避が100%ではないことは知っていても、 それでも、 いつか、大好きな人に愛されるまで、 これ以上傷ついたカラダになりたくは無い。 「お高くとまってんなよ、どうせ、若いやつにはそんなこと気にせずに抱かせてんだろ?」 カチンと来たが、こういう暴言を吐く男を蔑むように見つめ、 「駄目なものは駄目なんです。このまま帰ってもいいですけど」 にこりと微笑んで見せた。 「っち。クソビッチが」
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