RAINBOW #4

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「不思議な味ですね」 「最高級の豆を使ってる。その辺じゃ味わえないシロモンだ。」 「そうですか」 もう一口啜るとカラダがジンわりと温かくなってきた。多分室内の暖房のせいなのかもしれないが、体の火照りを冷まそうと、ワンピースの上に着ていた白いコートを脱ぎ、椅子の背にかけた。 にやりと、いやらしく微笑み、徳山が更に身を乗り出す。 「モカ、ちょっと、お使い頼めるか?」 「お使いですか?」 「この店の地下に、頭にドラゴンのタトゥが彫ってある男がおる。 そいつから、徳山の使いだって言って、物を貰って来てくれないか?」 「.....」 店にいるのに、徳山ではなくウチに取りに行かせる理由は、 一体なんなのか、頭を回転させ始めた。 ただ物を受け取って帰って来るだけでは済まない気がする。 「物って、なんですか?」 「此れぐらいの大きさの紙袋を渡される。」 掌を広げ、小さな手提げ袋程度の大きさであることを告げた。 「....中って」 「そんなことは、知らんほうがええで」 「それって....」 「3万や」 「え。。。」 「持って来れたらな。3万お小遣いやるわ。」 金額を提示されたが、目の前が暗くなった。 「それって、...」 「気分....良くなってきたんちゃうか?」 「え?」 「美味かったやろ、コレ」 指差したマグカップを見つめ。 それからハッと、徳山に顔を向けた。 こびりついたままの香り。 くらくらする頭を抱え喉をゴクリと鳴らして恐る恐る尋ねた。
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