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「もしかして、この、
中に、.....」
クスリが
...入っていた??
深く頷き、徳山は、答えを即した。
「出来るか?」
拳を作り、首を振った。
「出来ないです」
「なんでや、体は売れるのに、お使いぐらいどうってことないやろが」
「....だって」
「警察がこわいんか」
「.....」
小さく頷いた。
もし、違法なクスリだったなら、
もし、徳山がウチを裏切って、逃げられたら、
ウチの一生は終る。
「リスクは一緒やで。
今まで見つからなかっただけで、
犯罪は犯罪や。いつかは掴まる。
だから、
あの店に出入りするのも、
もう止めとけや」
徳山がぼそりと零し、美味そうにカップを煽った。
「徳さん」
声を掛けて着た男に、徳山が視線を向けた。
「なんや、来てたんか」
白髪交じりの細身の男に、徳山が振り返って応えた。
「来てた、ってね。ここウチの島ですから」
「そやったな、このこな、わしの連れ」
ウチの肩を叩き、徳山が呟く。
「どうも」
意味もわからず頭を下げた。
「コイツな、新宿署の刑事や」
「え...」
「仲良しんさん、なんやで」
徳山が、ふふんと口元を緩ませて笑った。
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