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愕いた様子で私を見つめ、
赤いカーショップのジャケットを着た男が私を見つめる
「見ての通り移動するんだよ、」
「売れたんですか?」」
聖琉が手に入れる前に、
誰かが買ってしまったのだろうか?
「いいや、此処の店に置いておいても、買い手がいないからね。
ネットに出すので、
一旦倉庫にしまって買い手が出るのを待つんだけど」
「倉庫に入れるんですか?」
「スペース的に並べておいても、仕方が無いからね。もう他の車を入れる手配取ったので、其処、退いてもらえる?」
男が車の前に立ちはだかるウチを冷たい視線で見やる。
だが、ウチが今退くわけには行かない。
「そんな、そんな....
そしたら聖琉の目標が!!
あの!!!
この店に置いてもらうことって出来ないんですか?
端のほうにでもいいんで」
とにかく聖琉の目標を、消し去りたく無かった。
此処で、夢を語る横顔を、失いたくない。
「いや、売れる車を飾らないとさ、ウチとしてもねぇ」
「私、!買います!」
「ええ?といっても、これカスタマイズした特注品で高いよ?500万以上するのに、...」
鞄の中から、通帳を取り出した。
中に在る残高履歴の最後を、
男の視線の前にちらつかせる。
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