RAINBOW #5

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「おい!瀬名起きろ!!」 目の前に入った湯飲みの冷めた茶を俺の顔にかけた。 新宿署内の狭い取調室の中に押しこまれてから数時間が経過している。 くだらない質問 くだらない答え くだらない時間 「なぁ~刑事さん。 いつまで付き合えばいいんですか?」 「さっさと吐け!! お前とお前の仲間が一緒くたに女襲ったんだろ?」 「やってません。しらねぇって言ってんだろ?さっさと出せよ!」 「言っとくがな。 薬物所持で、現逮されてんだ。 それだけでにぶち込めるんだぞ? お前の立場わかってんだろ?」 「俺の立場? 馬鹿な警察が、犯人探せないから、 適当なヤツラ捕まえて、罪着せようとしてる、 哀れなホストてところか?」 机をバシンと叩き、 俺の襟首を掴んだ。 「なま言ってんじゃねぇぞ? てめえの一生俺が握ってるってことを、 判ってんのか?こらぁ!!」 思いっきり頭を振り被り、 広い額が俺の額を打ち付けた。 鉛球が打ち込まれたかと思うほどに 鋭い痛みに、悲鳴をあげる。 だが、痛がる俺を勝ち誇った表情で眺める刑事に振り向き、笑いかけた。 「離してくださいよ。 こういう取調べ、違法でしょう?」 ふっと、背後のデスクで、会話を記し続ける書記官へと視線を向け、また俺を見た。 「誰が?証言するんだ?俺とお前、それ以外に誰か居るか?」 無言のまま俺から背中を向けて、ペンを走らせる警官に向かい舌打ちをした。 再度襟首をつかまれ、上半身を引き上げられた。 シャツのボタンが首を締め付ける。 刑事の拳が腹部へとねじ込まれ、 膝を折り、グリーンのラバーが敷かれた床に這いつくばった。 「くそ、...汚ねぇ..ぞ.」 「拘留期間の間に、洗いざらい調べ上げてやるからな、覚悟しろ」 床に転がる俺の腹へと足先で、蹴り上げようとしたところで、 取調室のドアをノックする音が聞こえた。
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