RAINBOW #5

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「警部、」 「なんだ?取調べ中だぞ?」 「は!新たな被害者が出た模様です。」 机を握り締め、俺を見下ろしていた刑事の表情が苦々しく固まり、 若い刑事へと視線を向けた。 「確かか?」 「はい、状況証拠からして、本件と一致するという話でして、 現場が、埼玉県草加市と言うことですので、 埼玉県警との合同捜査になるため、 本庁(警視庁)のほうからもいらっしゃるようです。」 その言葉に、俺が、声を上げる。 「へえ~~~~で?俺に何の用ですかね?刑事さん!」 「っち、高嶋、こいつの釈放の手続きをしてくれ」 ファイルを閉じ、 そそくさと出て行こうとする刑事に もう一人の高嶋と呼ばれた刑事が待ったを掛けた。 「それが...」 神妙な面持ちで、小声で会話を続けている。 「....んだと?」 「瀬名...お前もついて来い」 「なんだよ?もういいだろ?俺がここにいる間に起きた事件だろうが?」 「今回の事件の被害者な...瀬名アヤカ、お前の妹だ。」
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