RAINBOW #5

8/37
前へ
/37ページ
次へ
「アヤカ!!」 ハッと、顔を上げたアヤカが俺を驚愕の表情で見返した。 唇が大きく震え出す。 「アヤカ!!」 駆け寄ろうとしたが、 刑事に肩をつかまれ押さえ込まれた。 「聴取が終るまで、こっちで待っとけ」 「んだと?俺の妹だ!話をさせろ!アヤカ!!」 腕を振り払おうとしたら二人がかりで抑えられた。 「直ぐ済む!これも犯人逮捕のためだ、我慢しろ!」 押さえ込まれた腕を掴み、 「わかった」 小さく頷いた。 だが部屋の奥から悲鳴が上がった。 「抑えろ!」 「捕まえろ!!」 アヤカが、バスルームへとダッシュしている背中が見えた。 裸の足が、どんどん遠くへと進む。 行く手を阻み、警官たちが取り押さえようとしたが、 その手をすり抜けていった。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加