- Gedachtnis 記憶 -

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- Gedachtnis 記憶 - 俺はその後、 ホストを辞めて、 街の情報が集まる仕事を始めた。 ホストもキャバも、フーも、ヤクザも歌舞伎町で息をする者全ては、金で繋がってる。 金を媒体にしたものなら何でも扱う。 怪しい薬屋も、無国籍者の人間にだって金を貸す。 金が集まる場所には、情報も集まる。 俺に要らない情報でも、ある奴らにはよだれが出るほど欲しい情報だったりする。 情報がまた金を運び、金がまた情報を連れて来る。 いつの間にか俺を、歌舞伎町で知らない人間などいなくなっていった。 ヤクザでさえ俺に頭を下げる。 俺を知らないものはいない、 そして俺も、ここに棲むヤツラのことを把握していた。 ....この中にアヤカを傷つけた男たちがいる。 だが、ヤツラは未だに見つけられない。 そして、事件は......まだ続いていた。
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