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「俺も、キミに飼われたい」
耳朶に、甘い吐息を吹きかけた。
「私のこと、愛してる?」
「ああ、勿論、愛してる」
そういうとホッとしたように微笑んだ。
「キミしかいらない」そう囁き唇を塞ぐ。
安心しきったその胸の中に抱えるのは、
とてつもなく強い独占欲。
どんなものでも手に入れなくては気がすまない、
どんな手を使ってでも、時には奪ってでも
彼女は手に入れてきたのだろう。
だからこそ、
無条件で与えられる極上の愛は、
彼女の心に響く。
与えられることに慣れていない女、
駆け引きでしか愛を手に入れられなかった、
かわいそうな女。
「聖琉...愛してるっていって」
「愛してる。何度でも言ってあげる。
リリカ、君を愛している」
「嬉しい」
少女のような笑顔で微笑む彼女。
...ようやく、仮面を剥がせた。
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