序、一人語り

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 私は廊下を進む。  目的地はいつものあの場所。  私はそこで疲れを癒す。  大嫌いな国語の授業があろうが、大好きな数学の授業があろうが、私はそこで待つのだ。  違うクラスの友人達を。  私が心を許す友人達を。 『遅れたな!』  そういつも言って、笑っている友人達を。  私はいつまでも、待とうじゃないか。  私は彼女らを、待とうじゃないか――。
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