幕開け

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男が身支度をして部屋を出る前、あらかじめ用意してた金を握らせる。 「またお願いしますねー」 と男がお決まりの営業トークを残しかえっていった。 パタン と、無機質に閉まるドアに鍵を閉めた時 「…陽介さん、足りない」 でたよ。でたでた。 振り返ると壁にもたれ、気だるげなフリの女王様。 「…若、今日は私は見てるだけって約束…」 「知るか」 デスよねーかぶせてきますよねー? ハァーっとこれ見よがしにため息をつく。 「今のヤツが下手なのが悪い」 「…毎日毎日しぼられて、おりゃキチーんだけど?」 この後の展開をわかっていても、言い返したくなる。
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