キラキラひかる

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講義終了のチャイムが講義室に鳴り響いた。 教授が講義の終わりを告げて講義室から出て行く。 それを横目に見て、ポケットから携帯を取り出した。 特に何か確認することがあるわけでもない。 癖のようなものだった。 さっきので午前の講義は全て終わり、今から一時間は昼休みだ。 弁当、おにぎり、パン、今日はどれにしようかと考えていると、突然背中に衝撃を感じた。 振り返ると男が立っている。 淡いピンクのTシャツにジーンズ姿のラフな格好だが、特にだらしなさは感じず、少し短めの髪に端正な顔立ちをした彼には、むしろ似合っていた。 「荒井」 名前を呼びながら、軽く手を上げて挨拶をする。 彼は、肩を叩くでもなく、声をかけるでもなく、いつもこうして背中を叩く。 痛いのでやめてほしいが、何度言ってもやめてくれない。 「飯、買いにいこうぜ」 そう言いながら、荒井の目線はほんの一瞬、握られたままの僕の携帯へ向く。 そのとき、わずかだが彼は顔をしかめた。 それを僕は見逃さなかった。
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