キラキラひかる

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学内に付属しているコンビニで昼食を買ったあと、僕らはいつもの場所へ向かった。 生徒たちからはコミスペと呼ばれている部屋だ。 実際の名前はコミュニケーションスペースなのだろうが、要するに机と椅子がある部屋だ。 すでにちらほらと、学生が来ている。 一人で昼食を食べている人もいれば、五人ほどのグループで食べている人もいる。 中には、昼食も食べないでお喋りをしている二人組や、鏡を食い入るように、それこそ穴が開くのではと心配になるほどに見つめ、器用に化粧をしている学生もいた。 席は、一人用、二人用、三人用がそれぞれ二席ずつ空いており、その中の三人掛けの席に腰を下ろす。 そこでいつものように、昼食を食べながらどうでもいいような話をする。 昼食を食べ終わったあとも、次の講義までの時間を僕らはそこで過ごしていた。 腕時計を見る。 次に携帯を見る。 十二時五十分。 午後の講義まであと十分というところだ。 「そろそろ始まるし、もう行くよ」 会話が途切れるタイミングを見計らい切り出した。 いくぶん滑りの悪い床に対して、これまた滑りの悪い椅子を、音を立てながら後ろへずらす。 頭の中では、もう次の講義のことを考えていた。課題は確か無かったはず。今日あたり出るかもしれないな。などなど考えても仕方のないようなことが、頭の中を行ったり来たりする。 荒井の様子がおかしいことに気づいたのは、ちょうど、あの教授のことだから今日も課題は出ないに違いないと結論づけた時だった。 今日は金曜日。 荒井はこのあと講義の予定はなく、本来なら午前の講義が終わったところで帰宅できるのだが、いつも昼食に付き合ってくれている。 かといって、このままコミスペに残る理由も彼にはないはずで、普段なら僕と一緒にここを出ていた。 でも今日、僕の言葉を聞いたその後も、荒井は座ったまま動かない。
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