第1話

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『夏騎と……別れたのか?』 夏騎の幼い頃からの剣道のコーチでもあったわたしの父が、そう聞いてきた。 『夏騎から……謝罪の電話があった。折りを見て、ちゃんと報告すると言ってきた』 父はそれだけ告げると私に背中を向けた。 それは……夏騎との別れが決定的となった瞬間だった。 夏騎が父に頭を下げた。師弟関係である父に……夏騎が頭を下げた。 目の前が真っ暗になった。 あの父に頭を下げてわたしとの別れを報告した。 もう……会う事も、声を聞く事もあの腕に抱かれる事も無くなった瞬間だった。
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