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赤城遊馬、という男はこの学校では有名だ。
頭脳明晰、容姿端麗、スポーツ万能。
おまけにお金持ちのお坊ちゃん。
女にはもちろんモテるらしい。
1つ上の先輩だというのに、彼の噂は学校全体に滞っている。
嫌でも耳に入るあいつ......赤城先輩の噂。
確かに、噂通りであった。
世の中、根も葉もない噂を飛び交わせていつの間にか、何が本当で何が間違いであるのかも分からずに、人から人へと渡っていくこのご時世の割にはまともな噂だ。
もちろん、悪い噂だってある。
女をとっかえひっかえ変えて、泣かす男だ。とか、
自分の気にくわないことがあれば、すぐ手を出してくる。とか、
赤城先輩にさからったら学校に入られなくなる。とか、、、
...まあ、そんな噂だって、噂でしかないし、そんな人と関わる機会なんてないと思ってたから気にしていなかった。
......気にしていなかったのに。クソ。
関わるなんて思うわけ無いだろ。
全くの無関係だ。
関係性なんて全くないじゃないか!
しかも、初対面の人に向かって犬って?は?なめてんのかー!
「......って、言えたら楽なのにな。」
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