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俺はこの場にいる、この赤城優馬から一刻も離れるために力を振り絞って自分の鞄をあいつの顔面に思いっきりぶつけた。
「………………ッ。てめえ。」
突然のことで、少し油断をしていたのか、あいつは顔を手で押さえながら足をよろめかした。
――――――――――――逃げなきゃ。
心よりも先に身体が動いていた。
あいつの顔を見ることは出来なかったが、
きっとあいつは余裕なあの狂気じみた顔で俺を嘲笑っているんだろうな、と、走りながら思うのと同時に……………
あいつに対する
恐怖心が再認識された瞬間だった。
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